ネット証券の取引で停滞してしまう理由にはUI・UXも
初めて投資をする人にとっては、口座への入金、商品選択、金額の設定、残高の確認など、様々なステップが存在します。つみたてNISAや2000万円問題によって増えたネットの運用口座ですが、これらの稼働状況はどうなっているのでしょうか。市場調査によって、停滞気味の投資家とその背景を明らかにします。
約半数は残高確認や売買を実施
残高確認や売買の状況を調べてみると、口座開設後に約半数の人が実施していることが分かりました。取引や残高確認で利用するデバイスを見ると、スマホ55.4%、PC37.3%、対面11.8%とスマートフォンを利用したケースが非常に高いことが分かります(下記グラフは個別に集計した場合の数値)。
一方で、残高確認も売買も行なわず、停滞気味の傾向がある個人投資家は18.3%います。つみたてNISAやiDeCoなど自動積み立てを利用していることもあり、その後の残高確認などの行動は行なわれない傾向にあると言えるでしょう。
停滞の大きな要因は金融機関のUI/UX
具体的な停滞の背景を深堀していくと、いくつかの要素に集約されることが分かりました。最も大きな要因は、「購入方法や操作方法が分からなかった」「購入方法が複雑」「アプリを入れるのが面倒」「損益の見方が分からない」などの金融機関が提供する取引サイトの不具合によるものでした。ネット専業の証券会社を利用する人でも、複雑なインターフェースに戸惑う例はあることから、改善による顧客ロイヤリティを高める効果は一定程度ありそうです。
次に挙げられるのは、「仕事や家事が忙しい」「金融商品が多すぎ、調べるのに時間がかかった」「信用できる運用会社を調べるのに時間がかかった」などの資産運用に時間がかかることが要因になったケースです。そして、自身で判断するハードルも挙げられました。「購入や売却のタイミングが分からない」「残高を確認しても変動要因が分からない」「税金の情報が分からない」などです。
停滞傾向のある投資家に振り向いてもらうには?
資産運用のことばかり考えている人は少ないことから、先ほどのUX/UIと併せて、要点が一目で分かり、専門用語を知らなくても簡単に比較できる情報が求められると言えるでしょう。
最近の個人投資家が活用する情報は? でも触れましたが、金融商品軸や売買方法・用語説明などの機能軸だけではなく、個人の課題に注目した情報提供も重要になってきています。子育て中の家庭では、家族で参加できるような「子ども向け金融教育」や「投資先の工場見学」への関心が他のセグメントよりも高い傾向がありました。また全般的に「自身と似たライフスタイルの体験談」も求められています。
このように個人の関心と絡めたサイト・アプリの展開を行なうことも、今後の金融機関の次の一手になるのではないでしょうか。
ネットで資産運用をする個人投資家像を更に知りたい方は
下記のリンクから、それぞれの興味関心領域をご覧いただけます。
調査結果の全てを見るには?
今回ご紹介した個人投資家のネットを介した資産運用に関する市場調査は、より詳しいレポートとしてご提供をしております。お手元でご覧になりたい方は、「ネット運用調査レポート希望」と記載し、i-Cue(アイキュー)金融事業部までお問合せください。
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