多くの個人投資家にESGファンドを購入いただく4ステップ
ESGファンドの裾野を広げるべく活動をされている担当者の方は何をすれば良いのでしょうか。いきなり自社製品の魅力を伝える活動ではなく、ESGファンド自体の認知・関心を高める施策も段階的に必要になることが調査から見えてきました。(21年6月実施の市場調査を基に記載)
ステップ1. 市場拡大のため、認知向上のための活動を
まずは、認知18%と低くとどまっている点の着手は、母数を増やすために必要なポイントです。ESGの認知に関わらず、ESGファンドの説明を提示した後に購入意欲を聞くと、若年層ほど購入意欲が高いことが分かりました。若年層を中心に、ESGの認知を図ることはESGファンドの関心層を増やすことにもつながることが想定されます。
ステップ2. なぜESGに着目するのか?という説得性も重要に
一方で、ESGファンドの購入意欲がない人に背景を聞くと、「運用益が悪そう」というイメージがあることも分かりました。また、「今注目の金融商品」というイメージもあり、一過性のブームとして見られている向きもあります。なぜESG課題に注目し企業分析に取り入れているのか、という意義を商品単位ではなく、運用会社の長期的な姿勢を分かりやすく真摯に伝える必要性があると考えられます。
ステップ3. 個別の商品はより具体的に説明
更に個別のESGファンド購入まで結び付けるためには、基本的な要素としてパフォーマンスやコスト面の情報が挙げられています。これに加え、ESGファンドならではの視点として、「ESGの実績がある運用会社か?」「ESGに優れた企業が組み込まれているか」という点も選択の際に重要なポイントと言えそうです。
またこの段階では関心のある個人投資家を絞り込んだマーケティング施策も求められます。多様な投資家がいる中、投資行動別にセグメント分類をすると、認知度と購入意向度に差異が出ることが分かります。たとえば、認知度が購入意向を上回る「未来の生活者」は、主に子育て世代です。自分なりに情報を調べる特徴はあるものの、投資経験が少ないことから、より平易なメッセージで具体的な事例を伝えるのが効果的、という見方をすることも可能です。
ステップ4. 継続のための情報提供で関係性を構築
これらの「購入者を増やす」取り組みだけではなく、離脱率も多いESGファンドをいかに保有し続けていただくかも大きな課題です。
購入後も投資先のESG活動や、社会課題・環境問題について知りたいというニーズがあり、これらの個人投資家に対するアプローチは、潜在顧客の関心にも通ずる点だと想定されます。一部のESGファンドでは、特定の企業の取り組みを掲載した月次レポートを出すところも見受けられます。しかし、スマートフォンで情報収集する投資家が増えていることから、PDFでなくアクセシビリティの高いツールで、定期的な情報発信をすることが求められるでしょう。
ESGの投資家像についてより知りたい方は
下記のリンクから、それぞれの興味関心領域をご覧いただけます。
調査結果の全てを見るには?
今回ご紹介したESG投資の市場調査は、レポートとしてご提供をしております。お手元でご覧になりたい方は、「ESG調査レポート希望」と記載し、i-Cue(アイキュー)金融事業部までお問合せください。
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