ネット証券の口座の保有は急増、その理由は?
ニュースで度々報道される通り、ネットを介した資産運用の裾野は広がっています。日本証券業協会が公表する統計データでも、特に20~30代の口座数の伸長が顕著です。
それでは、この急速に伸びた口座数の裏側にはどのような背景があるのでしょうか。また、これまでとは異なる投資家像が見られるのでしょうか。弊社i-Cue(アイキュー)では、このような視点を起点にネットを介した資産運用の実態を調査しました(調査は22年6月に実施)。
20~30代の個人投資家は女性比率が高め
まず、調査では直近4年でネットを介した資産運用を始めた投資家を抽出しました。内訳を見ると20~30代が多いことも特徴的ですが、以前から投資をしていたもののネット取引に移行したリタイア層も一定数存在することが分かりました。従来型の金融機関にとっては、既存のお客様がネットに移行することも想定した営業活動やマーケティングが求められるようになるでしょう。
男女比を見ると、全体では女性が3割程度であるものの、20~30代だけを見ると4割を超えています。今後、この世代が投資家の中心になることを想定すると、ダイバーシティを意識した情報発信も重要になりそうです。
投資のきっかけは、初心者用の選択肢・2000万円問題・ポイント投資
では、4年以内にネットでの資産運用を始めた個人投資家が、投資を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
最も多かった回答が「つみたてNISAやiDeCoなど初心者でも投資を始めやすい選択肢があると知ったから」。今回の調査対象のうち40%がつみたてNISA、17%がiDeCoを利用していることからも、入口としての役割を果たしていることが分かります。また、「ポイント投資」も17%と多い理由でした。
一方で、ニュースの要素としては、老後2000万円問題(21%)とコロナ(6%)が挙げられました。これらの要因による口座数の押し上げは、時間が経つにつれて落ち着くものと想定されます。
スタートのきっかけに世代別の特徴
全世代でも17%の人が理由に挙げていたポイント投資ですが、年代別に見ると20~30代が約25%とよりハードルが低い仕組みになっていることが分かりました。ポイント投資以外で、若年層の関心が高かったのはFIREで、単身20~39歳の20%が理由として選択しています。
また、現役ファミリーの20~39歳に特化してみると、24%が投資スタートのきっかけに「家族構成の変化」を挙げています。一方、「住宅ローンの開始」は10%にであることから、金融機関が提供するフックとして、住宅よりも結婚や子育てと絡めた情報発信の方が効果が高いことが想定されます。
個人投資家の裾野を広げる活動をしたい、と考えている金融機関のご担当者さまは、このような世代別のフックを考慮するとより効果が出やすくなるのではないでしょうか。
ネットで資産運用をする個人投資家像を更に知りたい方は
下記のリンクから、それぞれの興味関心領域をご覧いただけます。
調査結果の全てを見るには?
今回ご紹介した個人投資家のネットを介した資産運用に関する市場調査は、より詳しいレポートとしてご提供をしております。お手元でご覧になりたい方は、「ネット運用調査レポート希望」と記載し、i-Cue(アイキュー)金融事業部までお問合せください。
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